FC2ブログ

無常~今を大切に生きる~

無常とは、その人が認めたくない自分についての事実です。

無常とは、自然の移り変わりでもなく、他人の運命でもなく、

この自分が毎日毎日、死と隣り合わせて生きているという事実です。

この無常という事実は、人から教えられて知ることではなく、お経によって示されることでもなく、
『目の前の事実』なのです。

私たちの目の前に突きつけられた事実であって、
これに眼をおおうことも、これに背くことも、これから逃れることもできないのです。


先日、毎月、お参りにお伺いしている、おばちゃんから

『私は今年、68才になるんよ。よく考えたら、母が亡くなった歳と一緒なんよ。
私も、いつ亡くなっても、おかしくないね。寂しい事やね。
私はいつも、腰が痛い、膝が痛いって和尚さんに言いよるけど、
母もいろんなとこが痛かったんやろね。
でも、あの時、母は何も言わんかった。あそこが痛い、ここが痛いって、全く私に言わんかった。
母は偉大やった。』と言われました。

私はお茶をいただきながら、

『おばあちゃんのお母さんは偉大やね。
しかし、おばあちゃん、誰もがいつ亡くなるかはわからんとよ。
明日、亡くなるかも知れんと思って、一生懸命、病気と闘いよる人もおれば、
健康で元気な人が、今日、突然、事故で亡くなるかもしれんのよ。
みんながいつも、死と向かい合っとるんよ。
その日、その時、その瞬間、を大切に過ごすことが大事なんよ』

と私は言いました。

おばあちゃんは晴々とした笑顔で

『そーやね』とおっしゃりました。

無常を感じることは、寂しいこと、悲しいこと、やるせないことではありません。
実際に無常と体当たりして、死を毎日、目の前に迎えさせていただき、
毎日が与えられた新鮮な命であることを知る。

『日日是好日』です。

毎日、毎日がそれぞれにとって大切な日なのです。
誰もが一生、『日日是好日』です。
今日で命尽きるかもしれないなら、
その日、その時、その瞬間、
みな良き日、良き時、良き瞬間でありたいものです。

 思い出を大切にすること、夢や目標を持つことは大切です。
しかし、過去を振り返って愚痴を言うことは無用です。
未来に思いを馳せても、先のことは確信がもてません。

だから、今日の、この良き日、
ただ、ひたすらに今を生きることが大切なのです。




プロフィール

興禅寺住職

Author:興禅寺住職
福岡県北九州市、
興禅寺、法話・掲示板へようこそ!
法話やご連絡、ご案内のほか、
日々の日記をご紹介いたします。

興禅寺ホームページにも是非お越しください。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター